肌のシミはどうしてできるのでしょうか。その原因はメラニン色素にあります。紫外線を浴びると表皮の一番下にあるメラノサイトという細胞が活性化して、メラニン色素を作り出します。これによって紫外線のダメージから肌を守ることができるのです。
ところが不要になった色素がなくならずに肌のなかに残り続けることがあります。これがシミの正体です。若い頃は、肌の新陳代謝も早いため、日焼けがシミになることはあまりありませんが、加齢によって肌の回復力はだんだん衰えていきます。25歳を過ぎるあたりから肌の老化が始まり、30歳代後半になるとシミが目にみえて増えてくることがあります。
長時間強い紫外線を浴びると、それだけメラノサイトが活性化して多くのメラニン色素が作られます。そして消えにくい色素になりやすいです。ではどのようにしてシミを自分で治療することができるでしょうか。まずハイドロキノンという塗り薬があります。
この薬はメラニン色素をつくる酵素チロシナーゼに直接作用して、メラニンの生成を抑えます。日本でもハイドロキノン配合の化粧品は販売されています。濃度は2%~4%程度のものが多いです。いきなり濃度の高いものをつかわずにはじめは2%未満のものからはじめましょう。
もうひとつの塗り薬がトレチノインです。これはビタミンA誘導体で表皮細胞の新陳代謝を活発にすることで、肌のなかに沈着したメラニン色素を排除する治療薬です。ハイドロキノンと併用することで治療効果が高くなります。