シミの治療にはトレチノインとハイドロキノンという外用薬が有効です。それぞれ別々の特徴を持っており、併用することで効果的にシミを治療することができます。トレチノインはビタミンA誘導体で、元々人の血液中にもわずかながら流れているものなのでアレルギーの心配はありません。古い角質を積極的に剥がすピーリング作用があり、それによって表皮細胞の分裂・増殖を促し肌のターンオーバーを高めます。

シミというのは本来ターンオーバーによって排出されるべきメラニン色素が、ターンオーバーの滞りによって肌に沈着してしまったもの。したがって、ターンオーバーを高めることで排出を促すことができるというわけです。これに対しハイドロキノンは、メラノサイトの中にあるチロシンに働きかけてメラニンを作りだす酵素チロシナーゼの働きをおさえて、メラニンを作らせないようにする作用があります。それだけでなく、今あるシミを薄くする漂白作用もありますが、単独では肌に浸透しにくく、トレチノインと併用することで浸透が高まります。

トレチノインは随伴症状の強い薬として知られています。治療開始から3日~1週間後には赤みや皮むけ、ヒリヒリ感などが生じますが、これは薬が効いている証拠なので回数を減らして様子を見ながら治療を継続します。もしあまりにも症状がひどく、またなかなか収まらないようであれば使用を中止して医師に相談しましょう。また、ハイドロキノン使用中は肌を守るメラニンが作られなくなるため、紫外線対策をしっかり行う必要があります。

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